What's
 金融・金銭教育?
金融 教育研究校、
金銭教育研究校とは
金融・金銭教育出前講座実施中!

 

平成26年度第3回「金融広報アドバイザー等研修会」を開催しました

(2月24日)

 

  2月24日(火)、ホルトホール大分において、平成26年度第3回「金融広報アドバイザー等研修会」を開催しました。

 
研修会では、大分県立日出暘谷・総合高等学校の衞藤 準 教諭(総合学科主任)が、「高校生に対する金融教育の進め方」と題し講演を行いました。

  講演の要旨は以下のとおりです。

今のこの成熟社会において、高校生に対する教育のキーワードは「創生」であり、この「創生」という概念がない授業は効果が期待できないものとなっている。この「創生」の基本は、@生徒の実情を知り、Aどのような教材を使って、Bどのような方法で指導していくのか、ということを明確にした授業を行うということである。この柱がしっかりしていると、次のフィードバックや調整がしやすいということになるので、ここは押さえておきたいところである
   
これを高等学校における金融教育の現場にあてはめてみると、生徒の校種やコース、男女比などによっても違ってくる。同じ授業をしても全く違う反応が起きることがあるので、まずは生徒の属性を把握したうえで臨むことが大切である。次に教材についてみると、金融広報中央委員会が発刊している刊行物やビデオを始めとして各種の有効な教材があるが、「この教材は対象が高校○年生くらいだから」という考えで利用すると、うまく機能しない事例が多く見受けられる。このように、生徒を知り、それに合わせて教材を選び、上手にプログラムを組んでいくことが重要である。
   

資本主義の中での「お金」や「金融」は人間の体でいうと「血液」に例えられる程重要なものであり、それを教えるための学校における金融教育の必要性は非常に高い。しかしながら、高校教育の現場でも中々生徒達に上手く伝えられていない、と感じている。

   

「高校生価値意識調査2014」(リクルート進学総研調べ)により高校生の社会観についてみると、「将来の社会が明るい」と考える高校生の割合は前回調査(2012年)の31%から増加し、49%となっている。また、「自分の将来が明るい」と考える高校生も同様に55%から64%に増加している。一方で、「自分たち世代の弱み」に関する設問では、「ゆとり教育世代である」ことが22.4%と最も高く、続いて「精神的な弱さ・根性がない・ストレスに弱い」が4.7%と続いている。

   

このような高校生の変化や特性を見極めたうえで、様々な工夫や調整をしながら授業や指導をしてくことが必要である。山本五十六連合艦隊司令長官の「やってみせ、言って聞かせてさせてみせ、ほめてやらねば人は動かじ」等という言葉に表現されているように、「人を動かし、育て、実らす」ためには、忍耐強い見守りが大切であり、それこそが教育であることを肝に銘じながら指導に当たっている。

   

2060年の日本の人口予測をみると、総人口は8600万人に減少し、65歳以上の割合も約25%から約40%まで上昇する。また、全世界のGDPに占める日本の割合も現在の6.7%から3.2%に低下する見込みであり、このような危機的状況の中で、日本再生に向けた教育再生が急務となっている。これを受けて「学習指導要領」の改定が2016年度に行われる予定であり、そのポイントは「道徳と外国語(英語)を重視する」という方針が明確に示されている、ということである。

   

このような中、OECDが金融教育に関する定義を定めている。これは金融に関する事柄を世界基準で教えて、身につけさせていくことが我々にも求められているということである。昨年6月、金融広報中央委員会が事務局となり、項目別・年齢層別に「最低限身につけるべき金融知識」をまとめた「金融リテラシーマップ」を作成した。これも教育改革の大きな流れの中で、グローバルな基準でのマップが必要になることを見越したうえでの動きと言えるのではないだろうか。

   

これからは、「アクティブラーニング」(教員による一方的な講義形式の教育ではなく、学修者の能動的な学習への参加を取り入れた学習法)や「反転授業」(デジタル機材などを利用して自宅で知識を習得し、教室では知識の確認や問題の演習などを行う方法)を取り入れて日本の教育を大胆に変えていかないと、国際競争という枠組みでは厳しいという全国的気運が高まっていると考える。

   

このような時代の流れの中で、私が金融教育を実践するに当たっては「富国強徳」(道徳を忘れた経済は罪悪である。経済を忘れた道徳は寝言である<二宮尊徳>)を念頭に置いている。

具体的な実践事例としては、
@   日経新聞1面を毎時間活用する、
A 「金融と経済を考える」高校生小論文コンクールへの参加、
B 「株式学習ゲーム」を教材として導入、
C 「日経STOCKリーグ」への取り組み、2度全国最優秀賞受賞(NY研修参加)、
D  特別活動での商品開発、経営管理(甘酒仕立て乳酸菌スティックゼリー「@官兵衛」の開発・販売網構築、金融や原価計算や簿記等も含めた指導)、
E 「高校生ビジネスグランプリ」(日本政策金融公庫主催)において入賞
  等である。
   
全国的にみると、有名な進学校等でも普通の授業に加えてかなりの時間を割いて金融教育への取り組みを行っている。それが、本当の意味で私たちがこれから目指さねばならない学力観であって、受験対策だけを詰め込んでいくというのは近年の全国的な教育改革の流れではない。全国的な趨勢を踏まえた改革と実践がより強く求められていると考える。
   
 

以 上

 
「金融広報アドバイザー等研修会」は、中立・公正な立場から、くらしに身近な金融経済等に関する勉強会の講師をつとめたり、生活設計や金銭教育の指導等を行っている「金融広報アドバイザー」(金融広報中央委員会が委嘱)の一層のレベルアップを図るため、定期的に金融経済や生活設計等をテーマに研修を行っているものです。
「専門家から直接話を聞きたい」、「特定のテーマについて深く知りたい」というグループ(地域での集まり、婦人会、学校やPTAでの集まり等)がございましたら、大分県金融広報委員会事務局(0975339116)までご連絡下さい。
 

Copyright 大分県金融広報委員会 2010  ご意見ご感想はこちらまで