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見城 美枝子氏を講師に「金融経済講演会」を開催しました
(
11月14日)

―テーマ「もっと知りたい〜変わりゆく時代を生きるヒント〜」

 

 11月14日()、日田市民文化会館 パトリア日田において、見城 美枝子氏(青森大学社会学部教授・エッセイスト・ジャーナリスト)を講師に「もっと知りたい〜変わりゆく時代を生きるヒント〜」と題して「金融経済講演会」を開催し、約250名の方々が参加しました。

 講演に先立ち、原田啓介日田市長が「最近の金融商品の多様化や、金融取引の複雑化、また人口の高齢化が顕著に進む中、悪質な手口による金融トラブルに巻き込まれるケースが増加しています。
 本日の講演で暮らしに身近な金融や経済の基本的な知識や、消費者の自立に向けたヒントを頂けるのではないかと楽しみにしています」と挨拶しました。

 また、講演の最後に、秀島弘高副会長(日本銀行大分支店長)が、「大分県金融広報委員会は、大分県、日本銀行大分支店、九州財務局大分財務事務所が中心となり、暮らしに身近な金融・経済情報の提供や、子どもたちに対する金融教育に力を入れ活動している団体です。
 日本銀行は日本で唯一お札(日本銀行券)を発行する銀行です。大分県出身の福沢 諭吉先生が一万円札の肖像になったのは、1984111日で、今月1日に30周年を迎えました。偽造が多発すると改刷が行われます。偽造券が出ないようにするためには、私たちがお札を受け取った時に本物であるということがすぐに確認できるよう、お札を常にクリーンな状態にしておくことが重要です。
 
日本銀行大分支店では、銀行券の偽造防止技術などを説明する見学会を実施していますので、是非お越しいただければと思います」と述べました。


(見城 美枝子氏 講演要旨)


 日田市には江戸時代に「咸宜園」という、儒学者広瀬淡窓が起こした日本最大級の私塾がありました。広瀬 淡窓のような偉人を輩出し文化度が高い日田市においても、今年10件の振り込め詐欺の被害があったと伺いました。「人の虚を突く」という言葉がありますが、振り込め詐欺はどんなに用心深い人でも、ふっとしたときに嵌ってしまうものです。相手は騙すプロですので、充分に気をつけなければなりません。

 2013年中に全国でオレオレ詐欺や架空請求詐欺などの特殊詐欺として認知された件数は11,998件、被害総額は489億円に上りました。そのうち振り込め詐欺が9,204件・258億円で、被害者の80%は女性です。最近では、「ママ」と呼ぶ家庭が増えている中で、「母さん」と呼ばれる年代の女性のところに電話を掛けてきていることからも、この年齢層のデータが流出していることが窺われます。買いものをする際にポイントカードを作ることがありますが、その際に記入する住所・氏名・生年月日などの個人情報が流出していると思われます。
 
詐欺被害者の約70%が夫婦2人暮らしか、1人暮らし世帯です。詐欺集団は、巧みに個人情報を調べ上げ、さらに家族などが不在で家に1人でいる時間帯を狙って電話を掛けてきます。
 ATM1日に引き出せる金額は50万円ですが、なぜ何百万もの金額を振り込むことができたのでしょうか。総務省が公表した65歳以上の世帯の平均貯蓄額は2,257万円となっています。高額な詐欺に遭った人は、現金を手持ちしているか、いろいろな金融機関から分散して引き出していることが考えられます。普段から詐欺には遭わないように気をつけているつもりでも、不意を突かれたり、警察を騙る電話などが掛かると、うろたえ平常心を失い、熟慮することなく騙されてしまうのです。

 では、どうすれば振り込め詐欺の被害に遭わずに済むのでしょうか。詐欺を防止するためには、@子供の情報は流出していると心得る、A息子の名前をこちら側から言わない、B「誰?よく聞こえないからもう一回言って」、「掛け直すから電話番号を教えて」などと言ってなるべく相手に喋らせる、といった基本的な対応が肝要です

 最近では、多数の登場人物が入れ替わり立ち替わり電話を掛けてくる「劇場型詐欺」も多発しています。年々、詐欺の手口は巧妙になってきているため、騙されないようにするのは難しいかとも思いますが、感情的にならずに一息入れること、誰かほかの人に相談することが重要です。そうすることで自分では気づかなかった矛盾点に気づくことができると思います。

 さて、本日のテーマである“変わりゆく時代”ということでみますと、今、日本は世界でも類を見ない超高齢化社会に突入しています。65歳以上の人口は2013年には3,186万人となり、総人口に占める割合は25.1%と全人口の4分の1を占めるようになりました。さらに、今後日本の人口は1億人を切る時代が来ようとしています。

 また、このような時代の人々の暮らし方についてみると、Iターン・Jターン・Uターンなど、地方で生活することを希望する人達が徐々に増えつつあり、そのような人達のために2002年、「NPO法人 ふるさと回帰支援センター」が設立されました。同センターでは、地方生活希望者の受入態勢や技術指導などの基盤を整備し、合わせて地域活性化を図る取り組みを行っています。

 しかしながら、実際には自分の生活拠点を変え夫婦で居住することは大変難しいのが実情です。これからは、従来の生活パターンに拘らず、例えば「二地域居住」などの様々な選択肢もあるのではないかと思います。必ずしも夫婦そろって生活しなくても、新たな価値観のもとで自分の人生を生きて行くことが大切だと思います。「ふるさと回帰支援センター」は、今年13年目になり、同センターに掛かってくる電話は1日に1,000件を超え、最近では30代の方からの照会も増加しています。

 地方をより活性化していくためには、魅力あるまちづくりが必要です。ただ人を呼び込むのではなく、その年代の人たちがどのような時代を生き、どのような価値観を持っているのかを考えることが大切です。

 戦後の日本人の生活スタイルの変化をみますと、終戦後の昭和20年には、日本中にモノがなく我慢の時代でした。それからわずか11年後の昭和31年には、朝鮮特需の影響もあり日本経済は順調な回復を遂げ、経済白書にも「もはや戦後ではない」と謳われるまでになりました。
 さらに、昭和44年には所得倍増計画により給与が大幅に増加したほか、GNPも世界第2位となり経済大国といわれるようになりました。その後、昭和52年の「1億総中流時代」や、昭和61年から平成初めのバブル景気を経て、平成2年にはバブル崩壊に伴う景気の後退により長い不況期へ突入しています。
 最近の若い女性は結婚しない、子どもを産まないと言われていますが、それはそのような時代の中で育った人たちが、家庭という本当に幸せな将来の絵を描けなくなっているからです。若い人たちがどのような時代を生きてきて、どのような価値観を持っているのかを考えて社会を作っていくことが、今後の課題と言えるのではないかと思います。
 この街に暮らす皆さんひとり一人が、生き生きと元気で自立して暮らしていることがモデルケースとなれば、この街に住みたいという人達が増えてくるのではないかと思います。

 
「金融経済講演会」は、金融・経済等に関する知識を幅広い層の方 が学ぶきっかけ作りの場を提供することを目的に、全国の金融広報 委員会において開催しているものです。  

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