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「金融・金銭教育に関する教員セミナー」を開催しました
(8月10日)

  8月10日(水)、日本銀行大分支店において「金融・金銭教育に関する教員セミナー」を開催しました。

 
本セミナーは、学校の先生方に、金融・金銭教育の必要性や金融教育の具体的な進め方等について、より一層理解を深めるとともに、授業に役立てて頂くことを目的に一昨年より開催しています。昨年に引き続き日本銀行大分支店で行い、先生方・金融広報アドバイザー約30名にご参加頂きました。

 
午前のセッションでは、まず始めに、大政 浩一 副会長(日本銀行大分支店長)が、「最近の金融経済情勢について」というテーマで講演を行いました。

   最近の経済情勢については、
@ 今月に入って、米国債で格下げの動きがみられたが、米国同様に日本も大変厳しい財政状況にあり、日本国債についても格下げが検討されている。こうした状況下、震災復興国債の日銀引受の声も聞かれるが、財政規律といった面でも問題が多いのではないかと考えている。
   
A 

直近(6月調査)の日銀短観(企業短期経済観測調査)をみると、前回(3月調査)は東日本大震災の影響から大幅に落ち込んだ業況判断が、製造業ではサプライチェーンの急速な復旧から、電気機械・輸送機械(自動車)を中心に順調な回復を示している。一方、非製造業では、小売・建設・宿泊飲食など、現状・先行きとも回復に向けては鈍い動きが続いている。
 また、個人消費の動向をみると、食料品・乾電池などの防災用品需要もあってコンビニが好調を維持しているほか、百貨店・スーパーについても、ここにきて漸く下げ止まりの動きが見られている。
 

   
B  震災後、わが国のサプライチェーンについては、産業競争力を維持・強化していく観点から、課題が指摘されている。具体的には、電力需給の逼迫とコスト上昇、製造業におけるサプライチェーンの脆弱性の顕現化、海外における日本ブランドの信頼性低下、またこれらの要因が複合的に重なり合うことから来る産業の空洞化への懸念である。今後、我が国が産業競争力を強化していくためには、エネルギー改革の推進や、サプライチェーンの強靭化を図ることで産業空洞化を防止するとともに、海外市場の開拓や、人材力・技術力強化による成長力の創出・強化が求められる。
   
C 日本銀行では、震災からの立ち直り局面から、物価安定のもとでの持続的成長経路への移行をより確かなものとするため、「包括的な金融緩和政策」(実質的ゼロ金利政策継続の明確化、資産買入等の基金の創設)を通じた強力な金融緩和の推進、金融市場の安定確保、成長基盤強化の支援(「環境・エネルギー」、「医療・介護」、「社会インフラ整備」等に3兆円の貸付枠を設定)という3つの措置を講じる積極的な金融政策を続けている。
   
D 

最後に、震災後の電力問題に関しては、我が国にある原発54機のうち定期検査等で現在は35機が停止中であり、この状態が続いた場合、来年度にかけて更なる電力不足が懸念されている。代替エネルギーとして注目されている「太陽光発電」については、発電コストが1kwh当り49円と原子力(同5〜6円)に比較し相当高コストとなってしまう。
 大分県では地熱や温泉熱を利用した発電に熱心で、再生可能エネルギーの供給量、自給率ともに全国1位である。恵まれた温泉資源を活用したバイナリー発電(温泉の温度を下げる過程で出る熱を利用)については、全国に先駆け「地産地消モデル」として育てるとのことであるが、地域活性化に繋がるよう期待している。
 と説明しました。

 

  続いて、大分県消費生活・男女共同参画プラザ(アイネス)消費生活相談指導員    村上 美佳子氏が「生徒に教えたい消費者教育」というをテーマで講演を行いました。

 
 講演では、
@ 「消費者教育」とは、「悪質商法に遭わないために」といったような小さな視点の教育ではなく、生き方そのものを選択できるようになるための教育、いわば「生き方教育」であると考えている。消費者には、「安全を求める権利」、「知らされる権利」、「選ぶ権利」などの権利がある一方で、「批判的意識をもつ責任」、「主張し、行動する責任」などの責任も課されている。
   
A

「契約」は、契約書に印鑑を押さなければ成立しないものだと思っている人が多く、コンビニでの買い物やバスに乗ること等も全て契約に該当すると知っている人は少ない。「契約」はモノやサービスを買う権利のことであり、口約束でも成立し、一旦成立した契約は原則として相手の合意がなければ解約できない。

   
B

子どものうちから、収入と支出のバランスについて学習することは大切なことである。大人でさえ、自分が収入の範囲内で生活しているのかどうか分かっていない人が多く、そのような人は多重債務者になってしまう確率が高い。最近はクレジットカードや電子マネー等の利用から、実際に自分が遣っている金額を把握することが困難になってきているが、収入の範囲内で生活をするということを学ぶ第一歩が、子ども達にとっては、おこづかいであり、おこづかい帳であると考えている。

   
C

平成22年度中にアイネス(大分県消費生活・男女共同参画プラザ)に寄せられた消費生活相談は約5,000件で、このうち20歳未満からの相談は155件であった。
 相談の内容別では、「デジタルコンテンツ」(アダルトサイトや占いサイトの利用料、ワンクリック詐欺などの被害に関するもの)が20歳未満から40歳代までの幅広い年代で1位となっている。相談の多くが、業者からの脅しに乗って代金を一旦は払ったものの、次々に電話が掛かってきて、親にも先生にも相談できないまま被害額が増えたというものであった。先生方には、子どもから相談があった場合、「事前に分かりやすい“有料”という表示がなければ払う必要はないこと」、「インターネット通販は、“確認”・“訂正”ができる画面が必要で、これがない申し込みは無効になること」、「全国どこにでも消費生活センターがあり、困った時は相談できること」などを話して頂ければ、子ども達も安心するのではないかと思う。

   
D

その他、最近は「キャッチセールス」(アンケートの回答依頼をきっかけに店に連れて行かれ、高額な商品を無理やり買わせられる)、「アポイントメントセールス」(俗に「デート商法」とも呼ばれており、事前に異性からアポイントメントがあり、何度か会った後、“恋人気分”に付け込んで高額な商品を買わされる)、「資格商法」(曖昧な返事をしていると、いきなり高額な教材が送りつけられてくる。さらに数年後にまた電話があり、不当な解約金などを請求される)などもあり、若者が被害に遭いやすい。

   
E

さらに最近は、「高額な出会い系サイト」の被害も多発している。これは、「お金をあなたに上げたい、支援したい」、「事業を行うために1割を寄付したい」、「自分は○○(有名人)であるが、最近悩んでいる」といったメールを送り、これを信じて返信した人に高額なサイト利用料がかかってしまうといったケースで、大人でも騙されてしまう人が多い。知らない人がお金をくれる、ということを単純に信じてしまう人がいるというのも大変怖いことである。「ネットで得られる情報には、無責任なものも多いので、絶対に信じてはいけない」ということを肝に銘じておくべきである。

   
F

最後に、困ったこと、納得できないことがあったら、恥ずかしいからとか、名前を知られてしまうからなどと思わず、できるだけ早く誰かに相談することが大切である。相談できる相手として、家族や友人の他に、学校の先生方も加わって頂けたらありがたい。また、県や市の消費生活センター・市町村の相談窓口等もあるので、是非ご活用頂きたい。
 
と説明しました。

 

  午後は、日本銀行大分支店の見学をしたあと、小・中学校教員、高等学校教員に分かれて、金融教育の進め方についてディスカッションを行いました。

 

 小・中学校教員対象の「小・中学校における金融教育の進め方」では、冒頭に金融広報中央委員会 水口毅 事務局次長から金融・金銭教育に関する講話がありました。
 講話では、
 『昨年度に、中央委員会が実施した「子どものくらしとお金に関する調査」(第2回目)の結果をみると、銀行利子、インフレの意味などの金融用語の理解度に関しては不安を感じる内容であった。また、携帯電話の更なる浸透により消費者トラブルの増加も懸念されている。

 

 本調査の結果が示唆するポイントは、@お金の計画的な使い道について、速い段階から教えていくべきである、A子ども達を消費者トラブルから守るためには教育が必要である、B家庭内の教育や学校教育を通じて「職業につける人に」育てていく必要がある、C金融経済の基礎知識が十分でない実態を踏まえた対応が必要である。』
 
と説明しました。

 

 続いて、日田市立前津江中学校(平成2122年度金融教育研究校)の井上由美 教諭より、金融教育研究についての実践発表がありました。

 
これを受けて、参加の先生方から熱心な質問や意見が寄せられました。

 また、高等学校教員対象の「高等学校における金融教育の進め方」では、冒頭神奈川県立海老名高等学校で、金融教育を実践されている梶ヶ谷穣 教諭から金融教育の進め方に関する講話がありました。
 講話では、
 『「金融教育」については、@経済社会の大きな変容、A金融商品の多様化・複雑化、B多重債務へ陥る危険性の増加、C悪質商法のリスクの増大などから、必要性がより高まっている。

 私自身、授業の中で金融教育を実践するに当たっては、「基礎的な学習」の段階では、契約などについて、「応用的な学習」の段階では、起業や多重債務自己破産などについて、さらに「内容を拡大した学習」の段階では、相続や証券投資、損害保険等について教えるようにしているが、授業の中で「内容を拡大した学習」の段階まで教えるのは難しく、この部分については、課外授業の一環として学校内に立ち上げた「海老高ファイナンス・クラブ」での活動を通じて指導をしている。』
 との説明がありました。


 続いて、県内で金融教育に取組んでいる県立山香農業高等学校の賀来宏基 教諭より、「公民科(現代社会)における労働教育」と題する実践発表がありました。
 発表では、
 『社会に巣立つ生徒に対し、いわゆる「キャリア教育」のみではなく、労働者の権利や社会的セーフティネットの存在にも言及した指導を行っている。』
 との説明がありました。


 
この後、参加の先生からは、お二人の取り組みに対する感想や、実際に金融教育を行ううえでの悩みなどが発表され、活発な意見交換が行われました。

 
 最近では、若年層における金融トラブルの増加や若者の就業意識の変化等から、学校教育の段階から金融教育を行う必要性が広く認識されています。
 大分県金融広報委員会では、こうした環境を踏まえ、健全な金銭感覚の育成や金融・経済に関する知識の普及に努めるため、学校からの希望に応じた「出前講座」を実施しています。
「出前講座」のお申込み・照会は、大分県金融広報委員会事務局
    (097−533−9116)まで。
 

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