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大分市で「巡回金融講座」を開催しました(12月17日)

 

  1217日(水)に大分市との共催により「巡回金融講座」を開催しました。

 当委員会の 矢野 英昭 金融広報アドバイザーが、「
終活のはなし〜相続・贈与・遺言について〜」と題して講演を行いました。

 講演では、

 
消費税は、平成元年に当初3%の税率で導入されたもので、その後2度の引き上げを経て、現在は8%となっている。
税率の引き上げは、税収の増加を目論んだものであるが、実際は消費税率を上げても、景気悪化により法人税や所得税が減少したことから、その目的を果たしていない。
   

日本には今約1,000兆円の借金があり、これを国民一人当たりに換算すると約750万円もの金額となる。さらにこれからは、高齢者が増えて若者が少ないといった状況がますます進んでいくことが予想されるため、政府や若者に頼るのではなく、高齢者ひとり一人が人生の最後をどのように迎えるのかという“終活”について、真剣に考えていかなければならない時代となってきている。

   

日本人の平均寿命は世界最高レベルまで伸びた一方で、様々な経済要素から不安を抱えている高齢者が非常に多い。これを解消するためには、まず「持っているお金を分ける」ことをお勧めしたい。

   

「入院したら治療費が心配」といって入院保険に入る人がいるが、仮に入院しても「高額療養費制度」が適用され、高くても自己負担はひと月10万円程度、70歳を超えると食費を入れても5万円位の負担で済む。このことからも分かるように、入院保険に入って毎月5千円程度の保険料を払うならば、それを「入院預金」という形で別口座に置いておく方法も有効である。

   

また、「自分にもしものことがあったら葬儀代で子どもに迷惑を掛ける」と考えて死亡保険に入る高齢者もいるが、90歳以上で亡くなった場合には、葬式に来る友達も殆どいない。最近流行りの「家族葬」にすれば、30万円〜50万円もあれば足りるので、このお金を「死亡預金」としてこれもまた別口座で用意しておくのも一つの方法である。

   

持っているお金は、「備えるお金」(病気・けが・死亡・家の改築・子の結婚等)、「残すお金」(子や孫に)、「使うお金」(普段の生活費や旅行費用として)に分けて考えてみるとよい。そうすれば、「備えるお金」や「残すお金」を確保したうえで、自分が「使うお金がいくらあるのかが分かり、不安は解消される。

   

次に自分が死んだ後、自分の財産を誰に相続させるのか、ということについて考えてみたい。今は孫に教育資金を1,500万円まで一括贈与できる制度などが設けられ、高齢者の財産を如何に次の世代に引き継ぐかということについて政府も知恵を絞っているが、自分が実行する際には必ず専門家に相談の上、きちんとした手続きを踏んで行うことをお奨めする。

   

自分の死後、遺族が迷ったり、争ったりしないために遺言がある。そのうち「公正証書遺言」は、公証人役場で作るもので、費用や手間が掛かる反面、法的な効力が認められている。「自筆証書遺言」は、いつでも書き直せる、費用が掛からないという利点の一方で、改ざんや紛失のおそれがある、さらに管理が難しいなどの欠点もある。

   

相続では、配偶者は常に相続人となり、子どもがいたら他の人に相続されることはないが、子どものいない夫婦の場合は親や兄弟まで相続の権利があるということになる。「夫婦で築いた財産を他の人に相続されたくない」というような場合には、「遺言」を残しておくことが有効で、兄弟姉妹には「遺留分」(遺言の内容に拘らず、法定相続分の2分の1又は3分の1請求する権利)が認められていないので、相続はすべて配偶者が行うことが可能となる。

   

また、遺言は残す財産の分与割合に関する事柄に限らず、「遺族が迷わないために」として生命保険加入の有無、預貯金等の預け入れ先、借金の有無、葬儀の方法、死亡時の案内先などを残しておくとよい。またそれ以外に、遺族等に今後どのように生きて欲しいかというような「遺訓」を残すことも大切なことである。

   

相続は、法律により相続人の相続割合が定められているが、借金や保証人の地位も相続対象となることについては注意が必要である。借金が相続財産を上回る場合には、「相続放棄」または「限定承認」(相続人が、相続によって得た財産を限度として、被相続人の債務等を弁済する形の相続)などがあり、被相続人の死亡を知った時から3カ月以内に家庭裁判所に申し出る必要がある。

   

なお、相続税の基礎控除額は、現在は「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」となっているが、平成2711日より、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」に引下げられる。これにより、相続税を払う人の割合がかなり高くなるのではないかと予想されている。

   
 
最近は、「年金がどうなるか不安、老後資金が十分か不安」といった高齢者の弱みに付け込み、悪質な投資話への勧誘が多い。ある程度お金のある人は狙われており、うまい話が来たとしても、自分自身で内容をよく確認することが大切である。また、年を取ったら「資産は増やすより減らさない工夫をすること」の方が大事である。
   

さらに最近は、高齢者を狙った悪質商法も横行しており、日々新たな手口が発生している。「IPS細胞の会社の社債を買えば必ず儲かる」といった誘いの手口や、「東京オリンピック関連の投資話」など世情を反映したタイムリーなものも多い。また、「電話代が安くなる」、「消防署の方から来ました」と、さも大手の会社や公的な機関であるように思い込ませる手口なども横行している。また、男の子のいる家庭では依然として「オレオレ詐欺」の被害が後を絶たない。

   

このような悪質商法の対策としては、「電話にすぐに出ないで留守番電話を活用する」、「住所・氏名などの個人情報は、安易に提供しない」、「何かおかしいと思ったら、県アイネスや市町村の消費者相談窓口に相談する」などが有効である。

   
 

と結びました。

   
 

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