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坂東眞理子氏を講師に「金融経済講演会」を開催しました(221)

―テーマ「品格あるお金との付き合い方」

 

 2月21日()、ホルトホール大分 市民ホールにおいて、坂東眞理子氏を講師に「品格あるお金との付き合い方」と題して、「金融経済講演会」を開催し約900名の方々が参加しました。

 講演に先立ち、小出祐二大分市副市長が「最近の金融商品の多様化や、金融取引の複雑化、また高齢化が顕著に進む中、金融関連情報に適切に対応できず、さまざまな金融トラブルに巻き込まれるケースが増加しています。このため、私たちひとり一人がくらしに身近な金融や経済に関する基本的な知識や行動様式を身につけ、健全な価値観のもと主体的に判断できる能力を高めていくことは、非常に重要な課題となっています。

 今回の講演を聞き、安全、安心な生活のために必要な知識を習得され、問題解決能力の向上に資するよう役立てて頂きたいと思います」と挨拶しました。

 また、講演の最後に、岩崎淳副会長(日本銀行大分支店長)が、「日本ではお金の話をするのは、はしたないとする見方がありますが、その中で、お金とどのように付き合って行くか、いかにバランスを取っていくかということが非常に重要になります。

  人口構成から考えると20年後の日本経済は、1人当たりの豊かさは確実にダウンし、今のような豊かな社会は維持できないと予想されます。こうした現実を見据えたうえで、どういう風に生きていくかということが大切になってきます。本日の講演では、経済的に豊かになっても幸せを実感できない中で、どのように幸せを感じていくか、自分にとって何が大切なのかを考えていくための示唆、材料を与えていただいたものと受け止めております」と述べました。

 

(坂東眞理子氏講演要旨)

 
 

 その人がどういう人間性を持っているのかといった内心は、外見では分からない。しかし、どういうお金の遣い方をしているか、どういう時間・言葉の遣い方をしているかは外から見ることができる。特にお金の遣い方は、個人の価値観が如実に表れるものだけに、その人の品格がにじみ出るものである。

 
 1990年代以降の20年間は、物価が殆ど上がらず、日本は人件費の安い後進国と競争するために非正規社員(派遣・パート)を雇用し、人件費を抑えようという動きが広がってきた。それまでの子供たちは「無駄遣いをしてはいけない」、「将来に備えて少しでも貯蓄をするように」という教育を受けてきたほか、主婦も「出るを制する」ということが大事な能力だといわれてきた。こうして集められた個人貯蓄は、かつては銀行等を通じて日本の経済発展に寄与してきたが、今や日本経済は成熟期に入り、銀行も有効な投資先が見つからない状況となっている。
 

 このような中、お金に対する考え方も、現在を楽しむために借金したり、クレジットカードを利用したりすることが当たり前の世の中になっている。今、私達はどういうお金の遣い方をすればよいのか、新しい知恵が必要になってきている。

 

 世の中がどんどん変化していく中で、親の持っているもの(お金、自分の生き方、考え方、価値観など)をどういう形で次の世代に伝えていけばよいだろうか。「教育を伝える」という考えを持った親は多いが、この豊かさがいつまでも続くと思い、子供たちに、世の中が変わった時に生き延びる力を与えてあげられる親は非常に少ないのではないか。私達は状況がどのように変わっても、しっかりと生き延びていける力を次の世代に確実に伝えていかなくてはならない。

 また、自分自身の老後について言うと、時代の変化などの不確定要素がある中で、老後を豊かに生きるためにいくらお金が必要かを予測するのは困難となってきている。

 世話をしてくれる人がいるのかいないのか、自分の状況や希望は何なのかを考えておくことは、お金をいくら貯めておくか、といったことよりも重要なことである。

 

 貧しかった時代には、子ども達は親への感謝の気持ちを持っていたが、今はそうではない子どもが多く見受けられる。いかにお金やものがあったとしても、それを子どもの言いなりに与えたら子どもはダメになってしまう。「自分できちんと努力して手に入れなさい」という教育こそが大切であり、何かをしてもらったら親に対してもきちんと感謝の気持ちを伝えること、これが基本中の基本である。

 

 小さい時から、きちんとコミュニケーションを取れる、挨拶する、感謝する、優しい言葉を人に対して言える、という教育を親がしていれば、社会から必要とされる力をきちんと身につけることができるのではないだろうか。これだけの就職難といわれている時代でも、我慢ができずに短期間で職場を辞めていく若者が増えている。そのような状況下でも親の中には「皆と同じでいいのではないか」と考える人が増えているが、親自身が「こういう生き方をすべきである」というビジョンを持つことが何よりも重要である。

 

 人生の中でお金はそう沢山は必要でなく、人に迷惑を掛けない程度のお金プラス自分のポリシーを表現できるお金(優しくしてもらった人へのお礼として、自分のお金でモノなどが買える)があればよい。 

 日本の豊かさにどっぷり浸からないで、自分自身を常に戒めていくことも必要である。これからの高齢社会は、高齢者になればなるほど、教養が必要になってくる。「教養がある=今日用がある」ことと考え、自分が社会から必要とされる能力・技術を人のために役に立て、それで報酬を得るという力をキープすることが、老後設計の基本である。 

 最後に、一番大切なのは、私たちひとり一人がどういう考え方や気力を持っているのか、それを表現する力を持っているかである。私たちの人生は、とても長くなってきており、人生の後半期は決して老後でなく、人生の新しいステージである。そのステージで、私たちひとり一人がきちんと生きる、強く生きる、賢く生きることによって、そしてそれを次の世代に伝えていくことで、日本を良くすることが出来るのではないだろうか。


「金融経済講演会」は、金融・経済等に関する知識を幅広い層の方が学ぶきっかけ作りの場を提供することを目的に、全国の金融広報委員会において開催しているものです。

 

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